問題点を分割する。
前回のブログで列挙した手法の1つ、問題を分割するということについて解説しましょう。
よくこんなこと聞きませんか?
・何が,わからないかが,わからない。
・何を,どうやっていいか,わからない。
・何から,始めていいか,わからない。
勉強を始める初心者がよく言う言葉です。
「何をやっていいかわからない」という状態だと,つい,目先のものを一生懸命やってしまいます。やみくもに綿密にやってしまうのです。
こういう場合は,大概,必要のない部分も細かくやってしまうので,すぐには 効果が出ません。成果が出るまで我長時間かかり,挫折しまう可能性が非常に高いと思います。
私の指導は,全体の道のりを概観してもらいます。
例えば,旅行を例として考えましょう。
みなさん,旅行に行きたいと思ったら,まず目的地を考えます。
東京に住んでいて,大阪に行くか,九州に行くか,香港に行くか,金額も違うし,日数も違います。
特に移動手段が違いますよね。
東京から大阪だと,ほとんどの場合は新幹線です。東京から九州だと新幹線と飛行機,飛行機の比率がある程度高くなります。沖縄,香港だと,確実に飛行機です。
大阪だと日帰り出張,沖縄だとほぼ泊り,香港だと確実に数日間泊まります。
というように全体を概観して,まず,分かっていることと,分かっていないことを分離します。
皆さんの目的である入学試験,資格試験取得について考えてみましょう。
入学試験なら,どこの大学に合格したいのか?
資格試験なら,どの資格試験に合格したいのか?
その大学に行く目的は何か?
その資格を取得する目的は何か?
ということを,まず最初に考えてもらいたいと思います。
大学受験の場合は,過去問です。
まず,自分の出発点である現状を把握します。次に,旅では出発点である過去問を分析します。出発点から目的地までの交通手段を考えます。どこの部分がネックで,どこの部分が大事なのか?
もちろん, こんなこと言うと必ず,
「先生,東大を目指したいのですか,過去問を見てもチンプンカンプンです。」という人がいるかも知れません。
それは,分析する気がないからです。
問題点を分割し,解決策が自然にわかる程度に,細かくしていきます。
私の個別指導では,このように生徒さんと一緒に問題を分割し,合格するためには,絶対やらなければいけない部分を特定します。不得意な部分に優先順位を高くつけてもらっています。80点取れるものを90点にするよりは,50点しか取れないものを60にする方が,労力の1/5以下です。
ほとんどの試験は,総合点で合否が判断されます。このように分析すると,各大学,各試験によって大きな傾向があるのわかります。例を出してみましょう。
ては,大学受験の生物について考えてみましょう。
私立大学医学部で,比較的簡単な大学の生物の試験は,ほとんどが暗記です。暗記の知識を選択肢から選ぶだけです。なぜならば,みんな正確に文字を書けないからです。かつ,採点業務をマークシート方式で効率化したいからです。
そして,次に難しい大学は,記述式になります。それも簡単な単語を書かせたり,簡単なことを1行程度,または2行程度を書かせたりするだけです。
東大のような難関大学になると,同じ科目なのに,暗記で解ける部分は2割程度しかありません。大量の実験データを示し,それを理解し,推論し,結論を書いてもらうという形です,生物の知識がなくてもかなり点取れますが,逆に言うと,生物を一生懸命暗記しても,点数の上昇は見込めません。
各大学によって,合格者に求める能力に大きな差があります。
合格しやすい大学は,学生に大学の授業を理解するための基礎知識を求め,偏差値の高い難関大学は,学生が基礎的知識あるのは当たり前,その上で,長い文章を読んで理解し,推論する力。論文を読む力があるかどうかを求めます。
このように問題点を分割していき,自然と解決策が思い浮かぶ単位まで,細かくしていきます。
これが第一の手法です。