大学入試・英語の学習に役立つ記憶術:宮口公寿

自営業だった父親の仕事が突然傾き、大学進学をほぼ諦めかけていました。 「東京大学という最難関の大学」へ志望校を変更しました。どうせ実現不可能と思っていましたが、学費がほとんどかからないという大学という選択肢しかありませんでした。 周囲の人たちは、私を見て笑っていました。 偏差値41の人間が東大に合格するはずがないと。 普通の勉強法をやっていては絶対に合格しないと思い、ありとあらゆる勉強法を探しました。 そこで出会ったのが、記憶術でした。 そして、私は、記憶術を縦横無尽に活用して、見事東京大学へ

問題点を分割する。

前回のブログで列挙した手法の1つ、問題を分割するということについて解説しましょう。

よくこんなこと聞きませんか?
・何が,わからないかが,わからない。
・何を,どうやっていいか,わからない。
・何から,始めていいか,わからない。

勉強を始める初心者がよく言う言葉です。

 

「何をやっていいかわからない」という状態だと,つい,目先のものを一生懸命やってしまいます。やみくもに綿密にやってしまうのです。

 

こういう場合は,大概,必要のない部分も細かくやってしまうので,すぐには 効果が出ません。成果が出るまで我長時間かかり,挫折しまう可能性が非常に高いと思います。

 

私の指導は,全体の道のりを概観してもらいます。
例えば,旅行を例として考えましょう。

 

みなさん,旅行に行きたいと思ったら,まず目的地を考えます。
東京に住んでいて,大阪に行くか,九州に行くか,香港に行くか,金額も違うし,日数も違います。

 

特に移動手段が違いますよね。
東京から大阪だと,ほとんどの場合は新幹線です。東京から九州だと新幹線と飛行機,飛行機の比率がある程度高くなります。沖縄,香港だと,確実に飛行機です。

 

大阪だと日帰り出張,沖縄だとほぼ泊り,香港だと確実に数日間泊まります。
というように全体を概観して,まず,分かっていることと,分かっていないことを分離します。

 

皆さんの目的である入学試験,資格試験取得について考えてみましょう。
入学試験なら,どこの大学に合格したいのか?
資格試験なら,どの資格試験に合格したいのか?

その大学に行く目的は何か?
その資格を取得する目的は何か?
ということを,まず最初に考えてもらいたいと思います。

 

大学受験の場合は,過去問です。
まず,自分の出発点である現状を把握します。次に,旅では出発点である過去問を分析します。出発点から目的地までの交通手段を考えます。どこの部分がネックで,どこの部分が大事なのか?

 

もちろん, こんなこと言うと必ず,
「先生,東大を目指したいのですか,過去問を見てもチンプンカンプンです。」という人がいるかも知れません。

 

それは,分析する気がないからです。
問題点を分割し,解決策が自然にわかる程度に,細かくしていきます。

 

私の個別指導では,このように生徒さんと一緒に問題を分割し,合格するためには,絶対やらなければいけない部分を特定します。不得意な部分に優先順位を高くつけてもらっています。80点取れるものを90点にするよりは,50点しか取れないものを60にする方が,労力の1/5以下です。

 

ほとんどの試験は,総合点で合否が判断されます。このように分析すると,各大学,各試験によって大きな傾向があるのわかります。例を出してみましょう。

ては,大学受験の生物について考えてみましょう。

 

私立大学医学部で,比較的簡単な大学の生物の試験は,ほとんどが暗記です。暗記の知識を選択肢から選ぶだけです。なぜならば,みんな正確に文字を書けないからです。かつ,採点業務をマークシート方式で効率化したいからです。

 

そして,次に難しい大学は,記述式になります。それも簡単な単語を書かせたり,簡単なことを1行程度,または2行程度を書かせたりするだけです。

 

東大のような難関大学になると,同じ科目なのに,暗記で解ける部分は2割程度しかありません。大量の実験データを示し,それを理解し,推論し,結論を書いてもらうという形です,生物の知識がなくてもかなり点取れますが,逆に言うと,生物を一生懸命暗記しても,点数の上昇は見込めません。

 

各大学によって,合格者に求める能力に大きな差があります。

合格しやすい大学は,学生に大学の授業を理解するための基礎知識を求め,偏差値の高い難関大学は,学生が基礎的知識あるのは当たり前,その上で,長い文章を読んで理解し,推論する力。論文を読む力があるかどうかを求めます。

 

このように問題点を分割していき,自然と解決策が思い浮かぶ単位まで,細かくしていきます。


これが第一の手法です。